2016-11-08

月例 『小さい秋』投票

「小さい秋」、このテーマはこちらで御推察いただいているとおり童謡から頂戴しました。
もっとも私の方は昔テレビで見たビシバシステムの唄で脳内再生されてしまうのですが、
多分に感覚的な言葉で、受け取る人によって描くイメージは様々かと思います。
私個人の抱く語感は、日常の中でふと見つけた“些細だけれど秋を実感するもの”、
探すのではなく出会う、そんなニュアンスを感じます。
ちょうどラジオから古い和歌の話が流れてきました。
「秋きぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」
この歌なども「小さな秋」そのものですね。

さて、今回はTsukanetさんの作品と、yy2828yyさんの作品に投票させていただきました。
二作品とも“なんでもない” その感じにとても惹かれました。

ガラス越しのメッセージボードを撮ったTsukanetさんの作品には、外の空気の冷さと中の暖さが感じられ、
更にその暖かさとメッセージボードに書かれた言葉とのシンクロが、
この時期の季節感を佳く描き出していると感じました。

yy2828yyさんの作品は光の色がいかにもこの季節らしく、
添えられた数葉の落ち葉からは冷い風の存在が感じられました。
どこにでもあるありふれた光景を、 こうして一つの作品たらしめる作者の“腕″に敬服です。
わざわざ出掛けていって特別な何かを捜そうとしがちな私は、
ただただ恥じ入るばかりです。


さて、今月のテーマも既に発表されています。
『駅』わたしの街にもあることはありますが日常まったく関わりがありません。
なのでインスピレーションがまったく湧かない上に、
なんとなく視点以上に表現力が要求される気もして、
これは過去最高難度のお題となりそうな予感。


※Tsukanetさんのお名前を間違って記載していました。
訂正してお詫び申し上げます。


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